開窯100年を超える松谷窯。
窯の場所近くが「小松谷」と呼ばれることから名付けられた。
代々続く京焼の名窯のなかでも、佳き使い手たちに長く愛され、
京料理の粋を支える器を「現代でもつくることができる」と言われる、
数少ない窯のひとつである。
ロクロで薄く水挽きした素地を素焼きの型に被せて、多角形や輪花、捻りなど、様々な形を造形すると同時に、型に掘られた文様も写し取れる。削り作業の際に高台しか削れないので、高度な技術が要求される。
元代に現れて来た、釉下に絵付けを施した作品である。
それ以前には、鉄で絵付けをされていたが、呉須の発見、還元焼成の技術的進歩等相俟って、鮮やかな青が得られる様になり、一般化した。
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『染付松竹梅本捻向附』
明代に現れて来た焼き物で、万暦帝の時代に華やかになり、数多く作られた。
いわゆる五彩磁というものが、完成された。鉄、銅、マンガン等、地球上で数多く産出される原料を用い、800℃前後で鮮やかに発色させたものである。
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『嘉靖意唐子小鉢』
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『赤絵雷文ぐい呑』
赤絵の上に金で可色、焼き付けたものである。
当初は、漆で金箔を貼り付けた様であるが、はげ落ちる欠点がある為、次第に低火度で焼き付けられる様になって来た。
赤地金襴手が最もポピュラーである。
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『赤地金襴手柳桜陶筥』
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『赤地金襴手鳳凰内染付蓋付汲出し』
器の高台の中に、五良大夫呉祥瑞造という銘があるが、諸説色々ある中で、 私は、呉の国の人祥家の五番目の男の子瑞さんの作品という理解が、最も適当な様に思われる。
作品の特徴としては、呉須で、古紋や山水を全面に描き口紅が特徴である。
又、山水の絵の中には、船を描いたものが多い。
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『捻祥瑞意福字向附』
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『祥瑞意間取丸紋輪花蓋物』
単なる写しでなく、本来の作品の持つオリジナリティの在り方を自分なりに深く観察、理解し、 自分の身体を通して再び表現しようとしたものである。
つまり現代を生きる松谷の理解とそれに基づく表現で制作した作品である。
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『古清水意松梅皿』
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『古清水意松画向附』